ナルル王国&ククリア王国のプレイ日記・創作のためのブログです♪
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episode1 ~エピローグ(6) 終焉~
皆さま、ご無沙汰しております。

勢いで始めさせていただいたエピローグ、今回で区切りを迎えることになりました。

書きたいけど、書きたくない。
載せたいけど、載せたくない。

そんな気持ちのまま、しばらく過ごしていました。

でも、これを進めなくては、先に進まない。
重い腰を上げたいと思います。

マルグレーテとハリーのお話。
最終話です。ものすごーく、長いです。

それでもよろしければ、続きからご覧ください。

一日、一日と時は過ぎていった。
その間、ハリーは約束どおり、ずっとマルグレーテの傍にいた。
朝も昼も夜も。
自分の出来うる限り、マルグレーテの傍にい続けた。

ハリーもマルグレーテも決して、別れの日を口には出さなかった。。。


別れの日が明日に迫ったある日、マルグレーテは朝から荷物の整理をしていた。
この国に来て1年。自分でも気が付かないうちに、こんなにも荷物が増えていたのかと、マルグレーテは苦笑した。

必要最低限の荷物しか持ち出せない。

「(ふぅ。新しく買った服とかはいいわよね。あとは…、食料とかはご近所に差し上げましょう。)」

そのうち、昼を告げる鐘が鳴った。

「あ、大変。時間だわ。ハリーさんとの約束に遅れてしまう。」

そう言うと、簡単に身支度を整えて、王宮前大通りに向かった。


「(今日がハリーさんとの最後のデートか。)」

そう思ったら、急に実感がわいてきて、マルグレーテの目に涙が浮かんできた。

「(でも、自分で決めたことだもの。なに後悔しているのよ、マルグレーテ。
ハリーさんに心配かけないって決めたんじゃない。私がごねたって何にもならない。
ハリーさんを困らせるだけ。
だから……)」


”私が聞き分けよくならなくちゃいけない。”


想いを巡らせているうちに、王宮前大通りに到着した。
ハリーの姿は見えなかった。
マルグレーテはいつも通り、掲示板近くに立ち、往来をぼーっと見つめていた。

行き交う人々。
そわそわと通りを行ったり来たりしている男性。
初めて作ったと思われる不揃いの野菜を挟んだサンドイッチを両手に抱えた少女。
連れ添って温泉へ向かう夫婦。

皆、幸せそうな顔をしていた。
自分は今、どんな顔をしているんだろう。
…先程の少女のように、恋人との待ち合わせに見えるだろうか。。。


「お待たせ、マルグレーテ。」

そんなことを考えていると、ハリーが隣に立っていた。

「おはようございます、ハリーさん。」

「いつも、待たせてごめんな。ちょっと騎将に呼び出されて…」

「いいえ。こうやって待っているの好きですから。」

「サンキュ。それより、今日はどこに行こうか。」

「あなたの行きたいところでいいわ。」

「よし!じゃあ、こっちだ。」

そういうと、ハリーはマルグレーテの手を掴んで、ぐいと引っ張った。
ハリーは西でも、南でも、東でもなく、北に進路を取った。

階段を上がり、王宮前をしばらく歩くと、大きな扉が目の前に立ちはだかった。

その大きな扉を開けると、花と光に溢れた空間が目の前に広がった。

「ここは?」

「ここは、花のアトリウム。先代?くらいの王様がここを花でいっぱいにしたらしいぞ。」

「綺麗…」

「だろ?王宮の中だからかもしれないけどさ、ここは空気が違うんだ。何か。」

「わかります。何か、懐かしいような、暖かいような、そんな気持ちがします。」

「だろ?!良かった。マルグレーテならわかってくれると思ったんだ。」

「ふふふっ。でも、ここは何をする場所なのですか?」

「ここは、新年…もう明日か。王の挨拶を聞く場所だ。あとは…。」

「あとは?」




「…結婚式を挙げる場所だよ。みんなここで祝福を受け、夫婦になっていくんだ。」

「そうなんですね。素敵な場所。。。」

「俺は。。。
……ここでおまえと結婚式を挙げたかった。」

「!?」

「ほんとだぞ。俺の手で幸せにしたかったんだ。」

「ハリーさん…」

「なぁ、マルグレーテ。」

「はい。」

「必ず幸せになれ。本当は、俺が幸せにしたい。
だけど、それは無理だ。。。すまない。。。
だから、おまえが自分から必ず幸せになれ!」

「…ハリーさん。。。」

「幸せになれなかったらな、俺が迎えにいく。絶対に行く。
でも、今はこの地位を捨てることができないんだ。まだ、騎将に恩返しができていない。だから…」

「わかっています。ハリーさんの気持ち、わかっています。だから、私は離れることを選びました。」

「マルグレーテ。。。」

「だから、ハリーさんこそ、必ず夢を叶えてください。それまでは、絶対に今の地位を捨てたらダメです。」

「あぁ。わかった。約束だ。」

「はい。約束です。」

二人は、そう言うと、静かに肩を寄せあった。
その時、アトリウムの外では、夜を告げる鐘がなっていた。

「夜になったか。」

「そうみたいですね。」

ぐぅ~う。
その時、ハリーのお腹が鳴った。

「くすくすくす。じゃあ、ご飯食べに帰りましょうか?」

「ああ。」

すっとハリーは立ち上がり、マルグレーテの手を引くと、再び二人は歩き始めた。

家につくと、マルグレーテはもうあまり残っていない食材を使いながら、料理を振る舞った。

最後の晩餐。

一瞬だけだったかもしれない。
でも、確かにこの瞬間のこの場所には、負の感情はないように見えた。
いつも通りの風景だった。


翌日。新年を告げる鐘が国中を包んだ。
その音で目を覚ましたマルグレーテは、隣にハリーがいないことに気付いた。
慌てて起き上がると、台所から温かな湯気が姿を見せていた。

「やぁ、おはよう、マルグレーテ。新年、明けましておめでとう。」

「あ、おめでとうございます。は、ハリーさん、それは。。。」

マルグレーテの見つめる先には大きなロツパンがあった。

「ああ、朝ごはんさ。さっき、家から取ってきた。さて食べるか…と言いたいところだが、王の挨拶が始まってしまう。とりあえず、行くぞ!」

「えっ、ちょ、ハリーさん!」

「ほら、走るぞ!全力ダッシュだ!」

そう言うと、ハリーはマルグレーテの手を繋ぎ、一目散に走っていった。

「王の挨拶を聞かないのは非国民だからな。」

「はい!でも、ハリーさん、早いです。。。」

「ほらほら、頑張れマルグレーテ!」

ハリーの全力ダッシュのおかげて、遅刻はせずに済んだようだった。

壇上で女王が新年のあいさつを始めた。隣にいるハリーも真剣な面持ちでその言葉に聞き入っている。

マルグレーテも目の前にいる女王の言葉に耳を傾けていた。

女王のあいさつが終わると、執務官が目の前に現れた。

「本日、ナルル王国へ出港する皆様。船の出発時間は昼1刻です。朝3刻までには港までおいでください。」

そうアナウンスすると、一礼し奥へと消えていった。

とうとうその時が来たのか、とマルグレーテは身体が硬直するのを感じた。

「マルグレーテ、行こう。」

「あ、は、はい。荷物、取りに行かないとですよね。」

そう言ってにっこり笑うと、今度はマルグレーテがハリーの手を取って、走り出した。
立ち止まったら、二度と足が動かないと思ったから。。。



「忘れ物はないか。」

「…そうですね、大丈夫そうです。」

「じゃ、行こうか。」

「はい。」


二人は並んで港へ向かった。
途中、同じように港に向かう人々と出会い、言葉を交わしながら歩を進めていった。
ゆっくりと、大地を踏みしめながら……


港に着くと、執務官が出国手続きを、とマルグレーテを呼び寄せた。
そこで出国の手続きと荷物の検査を済ませた。

すべての手続きが終わったマルグレーテに、執務官が、別れの挨拶を、と告げた。
わかっています、とマルグレーテは返し、ハリーのもとへ戻った。

「ハリーさん、お待たせしました。手続き、無事に終わりました。
今はもう、私、この国の人じゃなくなりました。ふふふ。」

「そっか。」

「ハリーさん……」

マルグレーテは、ぐっと唇をかみしめた。

「改めまして、本当にありがとうございました。
私、ハリーさんに出会えて本当に良かったです。すっと、幸せでした。」

「マルグレーテ、俺こそ。楽しかった。幸せだったよ。
月並みの言葉だけど、お前と出会えてよかった。」

「ハリーさん。。。」

ハリーはマルグレーテを抱きしめたい気持ちをぐっとこらえた。
抱きしめてしまったら、お互いに心に秘めた気持ちを開放してしまうから。
マルグレーテが耐えるなら、俺も耐えなくてはいけない。



「そろそろ時間ですね。」

「ああ。」

「ハリーさん。私、行ってきます。」

「えっ。」

「さよならなんて、そんな悲しい言葉使いません。
家族にも行ってきます、って伝えたんです。二度と会えないとは思っていませんから。
必ず、またどこかで会いましょう。ナルル王国なんてここから船で2日です。
近いんですよ。きっと、夢をかなえてください。
私も新しい国で頑張りますから!」

「ああ。ありがとう、マルグレーテ。君を選んだ俺の目に狂いはなかったようだ。」

「ふふふ。ほめすぎですよ、ハリーさん。」

「本当だよ。」

「ありがとうございます。」

「じゃあ、気をつけて、行っておいで。」

「はい、ハリーさん。行ってきます!」

そういうと、マルグレーテは、船に向かって駆け出した。
今にも泣き出しそうな顔を必死で隠しながら、走った。
そうして、マルグレーテが船に乗り込むと、汽笛が大きな蒸気を上げた。

甲板では、みな最後の別れを惜しむように大きく手を振り合った。
しかし、そこにはマルグレーテの姿はなかった。

マルグレーテは、あの勢いのまま自室に駆け込み、そのまま泣き崩れた。
人目も気にせず、泣きじゃくった。
行ってきますなんて、嘘だ。
これはさよならなんだ。
でも、ハリーに見せる最後の顔は、
ハリーが見せてくれる最後の顔は笑顔がよかったから。


…これでいいの。

どうか、ハリーには幸せになってほしい。
それだけを願って、マルグレーテは泣き続けた。

マルグレーテ、5歳。
人生の波に向かって、オールを漕ぎ始めた。
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